上映中作品

メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章

株主ご招待券不可

さらなる深みへ――

"東欧の奇跡"メーサーロシュ・マールタ
代表作『日記』三部作の全貌がついに明らかに
青春、家族、恋愛、冷戦......個人的な記憶と
戦後ハンガリーの歴史が交錯した、深遠なる記録の数々。
デビュー作から代表連作まで、新たにレストアされた作品群が、日本初劇場公開。

1975年、『アダプション/ある母と娘の記録』で女性監督として初めてベルリン国際映画祭の最高賞<金熊賞>を受賞、アニエス・ヴァルダ、アンナ・カリーナ、イザベル・ユペールら錚々たる映画人らからも熱い注目を集めるメーサーロシュ・マールタ。
このたび、2023年に開催され好評を博した第一弾特集上映に続き、日本で劇場初公開となる全7作品を新たにレストア/HDデジタルリマスターした珠玉の作品群を一挙上映する<メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章>が11月14日(金)より開催決定!


【鑑賞料金】

通常料金
※各種割引適用可
※各種ご招待券、株主ご招待券、無料券の使用不可

【上映作品】

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『エルジ』

英題   The Girl
原題   Eltávozott nap

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ソムロー・タマーシュ

出演:コヴァーチュ・カティ

1968年/ハンガリー/スタンダード/モノクロ/84分/HDデジタルリマスター/G
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

<story>児童養護施設で育ったエルジは、24年ぶりに小村で暮らす実の母を訪ねる。再婚していた母は、娘の来訪に戸惑い、彼女を姪と偽って新しい家族に引き合わせた。家族関係の修復も曖昧なまま街へ戻ったエルジは、行きずりの男と交際しながら、鬱々と日々を過ごす。ある日、素性の知れぬ中年男性がエルジの前に現れ、「君の両親は死んだ」と告げる。長編デビュー作であり、のちに繰り返し描かれる“養子”をテーマとした自伝的作品。

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『月が沈むとき』

英題   Binding Sentiments
原題   Holdudvar

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ケンデ・ヤーノシュ

出演:トゥルーチク・マリ、コヴァーチュ・カティ、バラージョヴィチ・ラヨシュ

1968年/ハンガリー/シネマスコープ/モノクロ/86分/2Kレストア/G
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

<story>政治家の夫に先立たれたエディトは、保険金や邸宅の相続を頑なに拒む。父の名声が汚されることを恐れた息子は、母エディトを別荘に軟禁した。息子の婚約者も「看守」として手を貸すが、壊れていくエディトを見るうち、結婚という結び付きに違和感を募らせていく。「家」に囚われた女性の苦しみと、彼女に寄り添う女性の交流が描かれたシスターフッド映画。

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『リダンス』

英題   Riddance
原題   Szabad lélegzet

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:コルタイ・ラヨシュ

出演:クートヴェルジ・エルジェーベトゥ

1973年/ハンガリー/スタンダード/モノクロ/81分/4Kレストア/PG-12
字幕翻訳:高橋文子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

<story>工場勤務のユトゥカは、ダンスパーティーで出会った大学生アンドラーシュと恋に落ちる。彼に拒絶されることを恐れたユトゥカは、自分も学生であることを装い、名前も偽る。やがてアンドラーシュはユトゥカの素性を知るが、両親には真実を告げられずにいる。両家合同の食事会。アンドラーシュ家の階級意識が剥き出しになっていく。
アニエス・ヴァルダがそのシャワーシーンに強く魅了されたという、労働者階級とインテリの格差を背景に女性の選択を描く静かな力作。撮影はジュゼッペ・トルナトーレ作品で知られるコルタイ・ラヨシュ。

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『ジャスト・ライク・アット・ホーム』

英題   Just Like at Home
原題   Olyan, mint otthon

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:コーローディ・イルディコー
撮影:コルタイ・ラヨシュ

出演:ヤン・ノヴィツキ、ツィンコーツィ・ジュジャ、アンナ・カリーナ、サボー・ラースロー(ラズロ・サボ)

1978年/ハンガリー/ビスタ/カラー/109分/4Kレストア/PG-12
字幕翻訳:高橋文子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

<story>アメリカからハンガリーへ帰国したアンドラーシュ。根無し草状態の彼は、放し飼いにされていた犬に惚れ込み、飼い主の少女から強引に買い取った。わだかまりを残したふたりは、やがて親子とも言い切れぬ親密な関係を育んでいく。アンドラーシュのかつての恋人アンナも、そんなふたりを気に掛けている。彼女はアンドラーシュに、愛を告白するが……。
父への献辞で始まる本作は、メーサーロシュにとって非常に個人的な父との物語だといえる。アンナ・カリーナがふたりの関係に揺らぎを与える人物を好演。

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『日記 子供たちへ』

英題   Diary for My Children
原題   Napló gyermekeimnek

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ヤンチョー・ニカ

出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ

1980-83年/ハンガリー/スタンダード/モノクロ/108分/4Kレストア/G
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾

<story>1947年、ソ連からハンガリーへ帰国したユリは、共産党員の養母マグダの保護下で育つ。父は秘密警察に捕らわれ、母はこの世を去っていた。恐怖政治が布かれるこの国で、ユリは不安定な生活を強いられる。ある日、ユリはヤーノシュと名乗る男と出会う。彼は父と瓜二つの人物だった。
「日記」三部作の第一部。冷戦下の自身の苦難を描き、1984年のカンヌで審査員グランプリを受賞。撮影は義理の息子ヤンチョー・ニカが担当した。

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『日記 愛する人たちへ』

英題   Diary for My Loves
原題   Napló szerelmeimnek

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ、パタキ・エーヴァ
撮影:ヤンチョー・ニカ

出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ

1987年/ハンガリー/スタンダード/カラー・モノクロ/132分/2Kレストア/G
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾

<story>マグダの元を離れたユリは、織物工場で働いている。映画監督を志すユリは、モスクワの大学で映画制作を学ぶことになった。スターリンの死後、ユリは卒業制作として、労働者の実情を捉えたドキュメンタリー映画を完成させたものの、反-社会主義リアリズム的な内容から、再編集を命じられた。そしてユリは父がすでに死去したことを知らされる。
「日記」三部作の第二部で1987年のベルリンで銀熊賞を受賞。モスクワ留学から1956年のハンガリー事件前夜までを描く。ユリが父と瓜二つの男に抱く愛情は複雑になり、ふたりの関係は次第にメロドラマ性を帯び始めていく。

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『日記 父と母へ』

英題   Diary for My Father and Mother
原題   Napló apámnak, anyámnak

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ、パタキ・エーヴァ
撮影:ヤンチョー・ニカ

出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ、トゥルーチク・マリ

1990年/ハンガリー/スタンダード/カラー・モノクロ/117分/2Kレストア/G
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾

<story>1956年10月23日、ブダペシュトで民衆が蜂起する。モスクワで足止めを食っていたユリは、12月に入りようやくハンガリーへの帰国を許された。ユリはカメラを手に、荒廃した街並みや犠牲者を見つめていく。その年の大晦日、ユリたちは一堂に会する。政治的立場を異にする者たちも、仮装や音楽、ダンスに耽る。しかし反動分子の弾圧はとどまるところを知らず……。
「日記」三部作の最終作。1956年のハンガリー事件から民主化運動の挫折までを描き、戦争の余波と闘いの行方を問う。

特集第一弾の5作品も特別上映!

※特集第一弾の5作品に関して、関西劇場での上映予定は現状ございません。ご了承ください。

【特集第1弾】

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『ドント・クライ プリティ・ガールズ!』

英題   Don't Cry, Pretty Girls!
原題   Szép lányok, ne sírjatok!

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:ズィムレ・ペーテル
撮影:ケンデ・ヤーノシュ

出演:ヤロスラバ・シャレロバー、ザラ・マールク、バラージョビチ・ラヨシュ

1970年/モノクロ/85分/2Kレストア

ビート音楽のファンである不良青年たちは、うだつの上がらない日々を工場での労働に費やしている。ユリは不良青年のうちのひとりと婚約しているのだが、とあるミュージシャンと恋に落ちた。ギグを開くという彼とともに、ユリは小旅行へ出かける。しかし嫉妬深い婚約者と彼の不良仲間たちは執拗にふたりを追いかけ……。
溢れんばかりのビート・ミュージックとともに、当時の息詰まるような社会の閉塞性がたしかに刻印された、珠玉の音楽逃避行劇。

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『アダプション/ある母と娘の記録』

英題   Adoption
原題   Örökbefogadás

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ、ヘルナーディ・ジュラ、グルンワルスキ・フェレンツ
撮影:コルタイ・ラヨシュ

出演:べレク・カティ、ビーグ・ジェンジェベール、フリード・ペーテル、サボー・ラースロー

1975年/モノクロ/87分/4Kレストア(※当館では2K上映)

43歳のカタは工場勤務の未亡人。彼女は既婚の同僚と不倫関係にある。カタは子どもが欲しいのだが、愛人は一向に聞き入れない。とある日カタは、寄宿学校で生活する17歳のアンナと出会い、彼女の面倒を見ることにした。次第にふたりは奇妙な友情を育んでいく。
メーサーロシュの名を一躍世界に知らしめた記念すべき作品。家父長制すら歯牙にもかけぬ主人公たちの親密さを、決して見逃してはならない。

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『ナイン・マンス』

英題   Nine Months
原題   Kilenc hónap

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:メーサーロシュ・マールタ、ヘルナーディ・ジュラ、コーローディ・イルディコー
撮影:ケンデ・ヤーノシュ

出演:モノリ・リリ、ヤン・ノビツキ

1976年/カラー/90分/4Kレストア(※当館では2K上映)

ユリは工場勤務の傍ら、農学を学んでいる。工場の上司は彼女と恋に落ちる。ユリは彼に誠実な関係を望むいっぽう、前夫との間に子どもがいる事実を隠している。やがて彼女の秘密は明らかになるのだが、上司は子どもの存在を受け入れるだけの心の準備ができておらず……。
ドキュメンタリー作家としてキャリアをスタートさせたメーサーロシュが、作為性や修飾を極限にまで削ぎ落した「真実」の記録。

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『マリとユリ』

英題   The Two of Them
原題   Ők ketten

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:コーローディ・イルディコー、バラージュ・ヨージェフ
撮影:ケンデ・ヤーノシュ

出演:マリナ・ブラディ、モノリ・リリ、ヤン・ノビツキ

1977年/カラー/92分/4Kレストア(※当館では2K上映)

マリの夫は偏狭な男で、ユリの夫はアルコールに依存している。彼女たちはつらい夫婦生活を乗り越え、慰めを求めあう。互いの葛藤を知ったふたりは、それぞれの人生を歩むべく、ある決断をする。
結婚生活に絡めとられる二人の女性の連帯を、厳しくも誠実なまなざしで捉えた精緻な秀作。

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『ふたりの女、ひとつの宿命』

英題   The Heiresses
原題   Örökség

監督:メーサーロシュ・マールタ
脚本:コーローディ・イルディコー、メーサーロシュ・マールタ
撮影:ラガーイ・エレメール

出演:イザベル・ユペール、モノリ・リリ、ヤン・ノビツキ、ペルツェル・ズィタ、サボー・シャーンドル

1980年/カラー/109分/4Kレストア(※当館では2K上映)

1936年。ユダヤ人のイレーンは、裕福な友人・スィルヴィアからある相談を持ち掛けられる。スィルヴィアは不妊に悩んでおり、イレーンに自身の夫との間で子どもをつくってほしいと言う。そうして生まれた子どもに莫大な財産の相続が約束されたのだが、彼らの関係は悪化の一途をたどる。その頃世界ではファシズムが台頭し……。

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