上映作品

夜明けの夫婦

  • 第22回東京フィルメックス メイド・イン・ジャパン部門

この国のホンネは、どこへ行ったんだろう。

とある老夫婦と息子夫婦の二世帯住宅の家庭。
どこにでもある、しかし極めてデリケートな問題。
どこにでもあるが、実はこの国の最も重要な問題。
この問題にしっかり取り組まねばならないのに。コロナ禍など他の問題が夫婦に押し寄せる。
大胆でいて壮大なラストに向けて突き進む、18歳以上が楽しめる、
純粋社会派深刻喜劇。

コロナ禍もようやく一応の終焉を迎え、町行く人々の口元にもマスクが目立たなくなってきた。さら(33)は夫、康介(31)の家で康介の両親と一緒に暮らしている。さら夫婦にはまだ子供はいない。 ある日、義理の母が「そろそろ子供は?作らないの?」と遠慮がちに聞いてきた。遠慮がちに聞かれたのはもうこれで何度目であろう。しかし、パンデミックの間、さらと康介は、今までよりもはるかに長くこの家に居たのに、すっかりセックスレスになっていた。なおかつ、 さらは最近、康介に女がいることに気がついていた。さらは、夜中コンドームを捨てた。一方、義理の母、晶子は、コロナによって年老いた母を亡くしたこともあり、命について深く考える毎日。どうしても孫の顔を見 たいという欲求で精神的に不安定になっていた。

監督・脚本
:山内ケンジ
出演
:鄭 亜美、泉 拓磨、石川彰子、岩谷健司