上映作品

SAINT LAURENT/サンローラン[名画座2本立て]Saint Laurent

時代が創った、美しい怪物

1970年代半ば、世界で最も有名なデザイナーの〈死亡説〉が流れた。〈モードの帝王〉としてファッション界に君臨していた、イヴ・サンローランだ。以前から失踪説や重病説、もっとスキャンダラスな噂も度々流れ、人々の前から姿を消したイヴに、一流の新聞社までが死亡記事の見出しを考えていたという。まだ若く絶頂期だったはずの彼に何があったのか──そこには、華麗な成功の裏に隠された、命を削るほどの創造の苦しみとスランプ、心を打ち砕くほどの激しい愛の葛藤があった。公では語れなかった〈真実〉に迫るために、"モンドリアン・ルック"や"ポップアート"コレクションで大ブレイクした後の激動の10年間を描く衝撃作が、遂に日本に登場する。
イヴ・サンローランに扮するのは、『ロング・エンゲージメント』でセザール賞有望若手男優賞を受賞して華々しい脚光を浴び、『ハンニバル・ライジング』でハリウッドに進出したギャスパー・ウリエル。常人には見えないヴィジョンを捉える瞳を持つ「美しき怪物」に完璧に変身し、フェロモンたっぷりに熱演した。ルル役には『アデル、ブルーは熱い色』でカンヌ国際映画祭史上初の女優としてパルム・ドールを受賞、『美女と野獣』の大ヒットも記憶に新しいレア・セドゥ。また、1989年のイヴを、名匠ヴィスコンティに愛され、『ルードウィヒ/神々の黄昏』などに主演、近年では『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』で印象を残したヘルムート・バーガーが演じる。

監督は、『メゾン ある娼館の秘密』のベルトラン・ボネロ。同時期に製作されたもう1本のサンローラン映画とは、テーマも撮り方も全く違うと胸を張る彼は、サンローラン・スタイルのクリアだが艶と奥行きもある独特の色合いを再現するために全編を35mmで撮影。また、光にこだわったコレクションやナイトクラブ、モンドリアン調のカット割りを施したシーンなど、アートとして楽しめる映像を創り上げた。

果たして、伝説の名のもとに握りつぶされてきた、〈知られざるサンローラン〉その衝撃の秘密とは──?

監督
:ベルトラン・ボネロ
出演
:ギャスパー・ウリエル、ジェレニー・レニエ、ルイ・ガレル、レア・セドゥ