上映作品

旅のおわり世界のはじまり

120分 日本・ウズベキスタン 東京テアトル配給作品 東京テアトル制作作品

遠い空の下、“新しい自分”に出会う。

国内外の映画人からリスペクトされる映画作家・黒沢清が、シルクロードの中心"ウズベキスタン"で全編オールロケ撮影に挑んだ全世界待望の最新作! テレビ番組のリポーターとして美しい国"ウズベキスタン"を訪れた葉子は、この国にいる"伝説の怪魚"を探すため、番組クルーと様々な地を訪れる。
ある日の収録が終わり、彼女はひとり見知らぬ街を彷徨ううち、導かれるように路地裏につながれたヤギと巡り合う。
それは、目前に広がる"世界"との対話のはじまりだったー

監督・脚本
:黒沢 清
出演
:前田敦子 染谷将太 柄本時生 アディズ・ラジャボフ 加瀬 亮

STORY

私の心は迷子になった。

テレビレポーターを務める葉子は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束通りにいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。
ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な体験をする。
彼女が、旅の果てで出会ったものとは……?

INTRODUCTION

心の居場所を見失ったら?扉を開く鍵はここにある。

国内外で圧倒的評価と人気を誇る映画監督・黒沢清が、ウズベキスタンに一か月まるまる滞在し、広い国土を存分に使ってロケ撮影された本作は、観客も一緒に異郷を旅しているような、ロードムービーとしての魅力に溢れた目覚めの物語。雄大なシルクロードの風景からホコリっぽい街角の雑踏、バザールの熱気までをドキュメンタルに切り取り、1コマごとに主人公の心の移ろいを映し出している。
主人公・葉子を演じるのは前田敦子。監督が「フレームに移っただけで独特の強さと孤独感が漂う」と話すとおり、異国の地に投げ込まれた不安や緊張を、繊細な表情で伝えている。また、本作で名曲「愛の讃歌」の歌唱に挑戦。クライマックスでは標高2,443mの山頂でアカペラの撮影に挑み、この現場で収録された歌声が劇中で使用されている。そして、葉子と行動を共にする番組クルーを演じているのは、加瀬亮、染谷将太、柄本時生。本物の撮影スタッフと見紛うリアルさで、絶妙のチームワークを見せている。