死体嗜好、屍姦、皮膚を剥ぐ猟奇殺人鬼--。タブー満載の衝撃的なテーマを扱いながら、カンヌ国際映画祭の批評家週間への出品をはじめ、各国の映画祭で絶賛をもって迎えられ、デンマーク国内でその年の興行成績1位を記録した北欧カルトホラーの傑作『モルグ屍体消失』。ユアン·マクレガー主演によるハリウッドリメイクも製作され、いまもなお熱狂的な人気を誇る伝説の作品がデジタルリマスター版として蘇える。
本作が長編監督デビューとなったオーレ·ボールネダルは、ヨーロッパ映画の美的センスとジャンル映画の要素を上手く織り交ぜた斬新な作風で、ポスト·ドグマ映画時代の旗手として新たなデンマーク映画の潮流を生み出した。主演は本作でデビューを果たし、「ゲーム·オブ·スローンズ」のジェイミー·ラニスター役で知られるニコライ·コスター=ワルドー。日本では長らく視聴困難な状況が続き、マニアの間で語り継がれる幻の作品となっていたが、30年の時を経てスクリーンへと帰ってくる。
法科学生のマーティンは、病院の遺体安置所(=モルグ)で夜警のアルバイトを始めるが、前任の夜警からそこが日く付きの場所であることを聞き、また死体が並ぶ安置所の異様な雰囲気に冷たい恐怖を覚える。一方その頃、娼婦を狙った連続猟奇殺人事件が世間を騒がせており、マーティンの働く病院にも皮膚を剥ぎ取られたおぞましい被害者の死体が運び込まれてくる。その日を境に彼の周りで不可解な出来事が起こるようになり、マーティンはさらなる妄執に取りつかれていく。ある日、遺体安置所の死体が不自然に動かされている痕跡が見つかり、事件を捜査するウォーマー警部は、状況証拠からマーティンに死姦·妄想狂の疑惑の目を向けるようになる .. 。